serviceサービス

医療法人の設立

医療法人を設立するには、各都道府県や政令指定都市に設立認可申請をする必要があります。
そして、設立の認可申請をできる時期は決まっています。

受付期間は各都道府県等によって異なりますが、多くの場合、申請受付期間を年2回ほど設けていて、それ以外の時期は申請ができません。
また、医療法人設立認可申請の説明会を実施している都道府県等もあり、中には、説明会への出席を必須にしているところもあります。

医療法人設立を検討する際には、まずは管轄の都道府県等のホームページや窓口で、申請方法・受付期間・認可がおりる時期を確認することが大切です。

医療法人設立の流れ-東京都の場合-

以下は、東京都内で診療所を個人開設している院長先生が、医療法人を設立する際のおおまかな流れになります。
準備から法人設立まで、約10か月かかります。申請の流れは、自治体によって異なります。

  1. 定款(案)の作成・設立総会の開催
  2. 設立認可申請書の提出(仮申請)
  3. 設立認可申請書の審査
  4. 設立認可申請書の本申請
  5. 医療審議会への諮問
  6. 答申
  1. 設立認可申請書の交付・受領
  2. 医療法人の設立登記申請書類の作成・申請
  3. 設立登記完了(法人成立)
  4. 法人の診療所開設(診療所開設許可申請、実地審査、診療所開設届)個人の診療所廃止(診療所廃止届)
  5. 法人の保険医療機関指定申請、施設基準の届出
    個人の保険医療機関廃止届
  6. 保険医療機関指定通知書の交付・受領

医療法人定款の変更

医療法人の定款の内容を変更する場合には、都道府県等の認可を要する場合と、届出で足りる場合があります。

【認可を要する定款変更の例】

分院の開設/診療所の移転/附帯業務の追加/法人名称・診療所名称の変更/会計年度の変更/役員定数の変更

【認可を要する定款変更の例】

同一都道府県内で事務所のみ変更/公告の方法の変更

分院の開設

診療所の経営・運営が安定し、軌道に乗ってくると、「分院展開」をご検討される先生もいらっしゃいます。

医療法人が分院を作るためには、行政機関の手続きに4か月~6か月程度かかります。
具体的には、まず、分院開設による「定款変更」について、都道府県の認可を受けます。その後、登記申請(法務局)、診療所の開設許可申請書及び開設届の提出(保健所)、地保険医療機関指定申請(地方厚生局)等の手続きがあります。

申請のために必要な書類は多岐にわたります。希望日に開院できるように、早い段階から計画的に準備を進めることが大切です。

診療所の移転

診療所を移転(引越し)は、行政の手続きとしては既存診療所を「廃止」して、新しい診療所を「開設」する手続きになり、4か月~6か月程度かかります。

具体的には、まず、診療所移転による「定款変更」について、都道府県の認可を受ける必要があります。
その後、登記、診療所の開設許可申請及び開設届・廃止届の提出(保健所)、保険医療機関指定申請(地方厚生局)等の手続きがあります。

保険医療機関等が至近の距離(2km以内)に移転し同日付で新旧医療機関等を開設、廃止した場合で、患者が引き続き診療を受けている場合は、保険医療機関指定期日を遡及して指定を受けることができます。
遡及指定を受けることが出来ない場合は、移転後一か月間、保険診療が出来なくなりますので、注意が必要です。

附帯業務

医療法人は、本来業務(病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院)に支障のない範囲で、定款に定めることによって、薬局、歯科技工所、訪問介護などの附帯業務をおこなうことが可能です。

附帯業務をおこなうために定款を変更するには、都道府県から認可を受ける必要があります。
申請に必要な書類は多岐にわたります。

ご多忙かと存じますが、後回しにせず、早い段階から計画的に書類の準備、作成を進めることが大切です。
医療法人がおこなうことができる附帯業務については、医療法第42条で定められています。

その他の手続き

医療法人は、設立や定款変更の際以外にも、様々な届出の義務が医療法で定められています。
当事務所では、決算届などの毎年の届出書類についてもサポートしております。

決算届/事業報告

医療法人は、医療法第52条第1項の規定に基づいて、毎会計年度終了後3月以内に、決算届/事業報告を都道府県等に届け出なければいけません。

添付する書類
  • ①事業報告書
  • ②財産目録
  • ③貸借対照表
  • ④損益計算書
  • ⑤関係事業者との取引の状況に関する報告書
  • ⑥監事監査報告書

※社会医療法人、医療法第51条第2項の医療法人は、必要書類が異なります。

経営情報等報告書

医療法の改正により、医療法人に関する情報の調査及び分析等を行うための新たな制度が令和5年8月1日から施行されました。
これに伴い、医療法人は、病院・診療所ごとの経営情報等を都道府県等に報告することが義務化されています。

役員変更届

役員の就任・辞任のほか、任期満了で役員の改選があった際には、都道府県等に「役員変更届」を提出しなくてはなりません。
理事長が就任(重任)するときは、登記も必要になります。

登記事項届出

医療法人の名称、主たる事務所、目的、役員、資産総額に変更があった場合は、その都度登記を申請し、登記完了後に登記事項証明書を添付して都道府県等に登記が完了した旨を届け出ます。

一般社団法人での診療所開設

昨今、一般社団法人で診療所を開設されるケースが増えています。
一般社団法人で診療所を開設する場合、流れとしては、法務局で法人設立の登記をし、その後に保健所に対して診療所開設許可申請をすることで、診療所を開設することが出来ます。
ただし、保健所から定款の目的、役員構成等について変更を依頼される可能性があります。
このため、新たに一般社団法人を設立して診療所の開設を検討されている場合は、事前に保健所と定款案等について相談しておくことをお勧めいたします。

PAGE TOP